自叙伝と自伝の違いとは?
前々から気になっていた方がいらっしゃるかもしれません。
「自伝」と「自叙伝」の違い。
あれ? 同じじゃないの?
いえいえ。じつはちゃんと違いがあるのです。
○自伝とは
自分の体験を時系列にしたもの。身近な人向けですね。
○自叙伝とは
自分の体験から面白い部分をフォーカスして、小説風にまとめたもの。
身近な人だけでなく、自分を知らない人に向けたものです。
「叙」が入っているか、入っていないか。
そこにも違いがあります。
「自伝より、自叙伝のほうが、ちょっと重々しい感じがする」
その感覚、正解です。
「叙」には順序立てて述べる、思いを述べるのほかに「官位を授ける」という意味があります。
自分自身に官位を授ける物語、と言えば、ちょっとおおげさかもしれませんが、あなたの自叙伝は間違いなく、あなたが主役です。
恥ずかしがらずに、思いきり自慢してください。
卑下する必要も、隠す必要もありません。
「あのとき、こんなことがあってさ」
「あんな経験、なかなかできることじゃないよ」
「じつは、あれを成功させたのは、わたしなんだよ」
「あんなに愉快なことはなかったよ」
そのストーリーがそのまま、「自分の体験から面白い部分をフォーカスした」ことになるのです。
しかし、自慢するときに、聞いてくれる相手がいなくては、つまらないでしょう。
壁に向かって、自慢をするわけにもいきません。
自叙伝も同じです。
せっかく面白い話なのに、読んでくれる相手がいなくては、物足りなさを覚えてしまいます。
そこで「小説風にまとめる」必要があります。
つまり、読者を意識して書く、ということです。
筆力と客観性が必要になるんですね。
対して、自伝の場合、あなたのことをよく知っている人が読むので、むしろ主観で書いたほうが良かったり、筆力もあまり重要視されなかったり。
書きはじめる前に、少し考えてみてください。
あなたがこれから書こうとしているのは、
自伝でしょうか? 自叙伝でしょうか?
それによって、書き方が変わってくるのです。